パイナップルケーキ史

By 16:03


台湾を代表する銘菓であるパイナップルケーキの誕生の経緯について調べてみました。
現在では台湾を訪れたことがある人であれば知らない人のいないほどの市民権を得たパイナップルケーキですが、意外とその歴史は浅く、1970年代と言われています。

1970年代当時、台湾経済発展の柱は農産加工品であり、台湾産の生鮮パイナップルは世界市場第二位と言われていました(生鮮パイナップル及び缶詰)。
そんな十分な生産力があるパイナップルで新たな輸出製品の開発を進めようと果物加工業やベーカリー業者がジャムを月餅の生地で包んだパイナップル餅を作ったのがパイナップルケーキの原点と言われています。
しかし、繊維質処理も荒く、酸度も高すぎ、ラードを使用したそれは理想とするスイーツには程遠かったが、そこから当時のパティシエたちが創意工夫を加え、冬瓜をパイナップルジャムに入れることにより口当たりや酸味を改善し、
また、そのころ台湾ではまだ珍しかったバターをラードに代用することによって油分の重さを改善し、徐々に消費者に受け入れられるようになりました。
その後は、台湾観光拠点である台北を中心に、国内には祭事のギフトとして、国外には観光客の土産として広がっていきました。
台湾のどこに行っても手に入るようになった現在、パイナップルケーキの市場規模は台湾食品業界全体の生産規模の3~4パーセントを占めるまでになっています。
そんなパイナップルケーキですが、今ではそれぞれのメーカーがレシピを工夫してオリジナルの商品を作るようになっています。こちらについてはまた次回の機会に触れたいと思います。